国王陛下は無垢な姫君を甘やかに寵愛する
翌日も早朝から昨日とは別の海域で沈んだ船を探す労働が始まった。
ジョシュの体調も完全ではないが、よくなり今日から働く。
「ルチア、無理するなよ」
「ジョシュこそ。じゃあね!」
ルチアはボートの上から海へ飛び込んだ。
ジョシュはルチアが飛び込んだ反対の海へ飛び込み深く潜る。
島の男たちもあちこちに散らばり、沈んだ船を探しに潜り始めた。
その様子をカタリナ号の帆船の甲板から見ているバレージ。
そこへ部下がやってきてバレージに手紙を渡す。内容はユリウス国王が明後日やって来る連絡だった。
混乱を招きたくなく、ユリウスの身分は隠すようにとのことだ。
アドリアーノ候と呼ぶようにとも書かれてあった。
バレージが手紙を読み終わったとき、ルチアが海面に浮いてきた。
「あの娘は根性があるようだな」
昨日の様子では、今日は休むとバレージは思っていた。
顔色が悪いのが見てとれるが、今日は20人いる男の5人が休んでいる。
ユリウス国王は結果を待ちきれずに来るに違いない。
いい知らせをしたいバレージは今日も過酷な労働をさせようとしていた。
カタリナ号で昼に出される食事は、島で食べられない豪華なものだった。
だが、こってりしている肉類が多く、疲れ果てているルチアの口には合わない。
「ルチア、しっかり食べろよ」
肉の塊を突っつくルチアを見て、ジョシュが言う。
「ん……」
ルチアにもしっかり食べなければ体力がもたないことはわかっている。ただ食べるより眠りたい。
ジョシュに丸いパンを差し出され、ルチアは仕方なく受け取る。
「もしかして、具合が悪いんじゃないか?」
「そんなことないよ。大丈夫」
ルチアはジョシュに心配をかけまいと、丸いパンをちぎって口に入れた。
食べながら周りを見る。
長テーブルに座るのは島の男ばかりで、滅多に食べられないご馳走をガツガツ食べていた。
ほどよく食べるにはいいが、食べすぎると午後からの潜水に支障をきたす。深く潜ると、胃は外から圧迫されて、吐き気をもよおすからだ。
ジョシュの体調も完全ではないが、よくなり今日から働く。
「ルチア、無理するなよ」
「ジョシュこそ。じゃあね!」
ルチアはボートの上から海へ飛び込んだ。
ジョシュはルチアが飛び込んだ反対の海へ飛び込み深く潜る。
島の男たちもあちこちに散らばり、沈んだ船を探しに潜り始めた。
その様子をカタリナ号の帆船の甲板から見ているバレージ。
そこへ部下がやってきてバレージに手紙を渡す。内容はユリウス国王が明後日やって来る連絡だった。
混乱を招きたくなく、ユリウスの身分は隠すようにとのことだ。
アドリアーノ候と呼ぶようにとも書かれてあった。
バレージが手紙を読み終わったとき、ルチアが海面に浮いてきた。
「あの娘は根性があるようだな」
昨日の様子では、今日は休むとバレージは思っていた。
顔色が悪いのが見てとれるが、今日は20人いる男の5人が休んでいる。
ユリウス国王は結果を待ちきれずに来るに違いない。
いい知らせをしたいバレージは今日も過酷な労働をさせようとしていた。
カタリナ号で昼に出される食事は、島で食べられない豪華なものだった。
だが、こってりしている肉類が多く、疲れ果てているルチアの口には合わない。
「ルチア、しっかり食べろよ」
肉の塊を突っつくルチアを見て、ジョシュが言う。
「ん……」
ルチアにもしっかり食べなければ体力がもたないことはわかっている。ただ食べるより眠りたい。
ジョシュに丸いパンを差し出され、ルチアは仕方なく受け取る。
「もしかして、具合が悪いんじゃないか?」
「そんなことないよ。大丈夫」
ルチアはジョシュに心配をかけまいと、丸いパンをちぎって口に入れた。
食べながら周りを見る。
長テーブルに座るのは島の男ばかりで、滅多に食べられないご馳走をガツガツ食べていた。
ほどよく食べるにはいいが、食べすぎると午後からの潜水に支障をきたす。深く潜ると、胃は外から圧迫されて、吐き気をもよおすからだ。