国王陛下は無垢な姫君を甘やかに寵愛する
「ルチア、君の2日間をわたしにくれないか?」

「わたしの……2日間を……?」
 
意味がわからず、ポカンとした顔になると、ユリウスが自虐的な笑みになる。

「わたしはまだ君といたい。君を知りたいんだ。それには2日では短いが一緒にいたい」

「アドリアーノさま……」
 
ルチアも自分に正直になろうとした。

「わかりました。なにをしましょう? あ、イルカの友達にも紹介したいです」
 
清純無垢なルチアにユリウスは苦笑いになる。なにをしましょう?と言われてすぐに押し倒したい衝動にかられたのだ。

「島を案内してほしい。君とお茶の時間や食事を楽しみたい。だが、イルカの友達はどうだろうか、泳がないと会えないだろう? まだ君には海に入ってほしくない。ようやく熱が下がったのだから」

「もう大丈夫です。早く泳ぎたくてうずうずしているんです。明日ならどうですか?」

「君には勝てないな。わかった。君の体調を見てから決めよう」

「島の案内をしますね。その前におばあちゃんに会って安心させます」

端から端まで三十分もあれば回れてしまう島だが、好きな島をユリウスに案内できると思うと嬉しかった。


 
「おばあちゃん!」
 
小屋の前で魚の鱗を取っていた祖母にルチアは駆け寄った。

「ルチア!」
 
祖母は作業を止めて、立ち上がるとルチアを抱きとめる。

「よかった。よかった。すっかりよくなったんだね?」

「うん。アドリアーノさまのおかげよ」
 
ルチアの後ろからユリウスの姿を目にした祖母は一瞬、気まずいように目を伏せた。

「アドリアーノさま、孫娘がお世話になりました。おかげさまで元気になり感謝申し上げます」

祖母はルチアが今まで聞いたことがない丁寧な口調でお礼を言った。ユリウスは軽く頷く。


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