神にそむいても
「ねぇ、うたもそう思うでしょう?」
ふふふと口元をおさえながら、瞳を弧のようにして笑みを浮かべる。
「えぇ、そうですね……。
長年姫さまのおそばにいさせていただいていますが、
このように似ている方に私はお会いしたことはございません。
あなた様のお母様も若い頃はあなた様とそっくりでございましたが、それを優に超える。
おそろしいほどでございます」
そのコトバをきいた姫はハッとした表情を浮かべたあと、
口元をおさえると意味深な笑みを浮かべた。
なに?
「ねぇ、うた」
うたさんもなにか彼女が企んでいるように察している。
私よりも付き合いが長いのだから、
きっと今から彼女が発することはうたさんにとってはよからぬこと。
困ったような表情を浮かべながら、
「はぁ」
とたよりなげに返事をした。
「お兄様はすぐに見抜けるかしら?」
うたさんが一瞬ぎょっとしたのを私は見逃さなかった。
すぐに表情を改めたけれど。
そんな彼女の表情を見る限り、ロクなことを考えていないことは私にも充分理解できた。
「……さぁ、どうでございましょう」
うつむきがちに答えるうたさん。