【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
「もうヤだからよ!」

安里は強い口調で言い返した。

「私、もう高校生なんだよ?

服も下着も、いつもお父さんとお母さんが選んだもの!

テレビだってNHK以外は見せてくれない!

食べるものだってそうよ、いつもお母さんの料理ばっかり!

もうお父さんとお母さんのいいなりになりたくないの!」

安里はテーブルのうえをたたいた。

ガシャッと、テーブルのうえに置いてある母親の手料理が盛られている皿が揺れた。

「だからと言って、家を出る必要なんてないじゃない」

「大学なんてこの辺にいっぱいあるだろ?

わざわざ家を出てまで大学に行く必要なんてないじゃないか」

1歩も譲らない両親のその態度に、安里は腹が立ってきているのが自分でもよくわかった。

(私のことを何も知らないくせに…!

私が今まで、どれだけつらくて苦しい思いをしたのか何も知らないくせに…!)

安里は深呼吸をすると、
「――じゃあ、お父さんとお母さんは…私が学校でいじめられていることを知ってるの?」

両親に向かって言った。
< 360 / 405 >

この作品をシェア

pagetop