【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
――安里ちゃん、これはあなたのためなの

そうだ、自分は騙されていたんだ。

自分はこの言葉のせいで、つらくて苦しい生活を送らざるをえなかったんだ。

エミコに嫌われたのも、沙織にウソつき呼ばわりされて離れて行ったのも、全て母親のこの言葉のせいだった。

泥んこ遊びができなくなったのも、駄菓子を食べることができなかったのも…そして、自分がいじめられているのも、全て母親のせいだ。

(――“私のため”って、何が…?)

友達がいないのも、無視されているのも、仲間外れにされているのも、バカにされているのも、全て母親のせいだ。

母親のせいで、自分には友達が1人もいないのだ。

――ワタシガツラクテクルシイオモイヲシテイルノハ、スベテコノオンナノセイダ――

その瞬間、プツン…と、安里の中で何かがキレた。

「――うっ…わああああああああああああああああああっ!」

「あ、安里ちゃん…!?」

突然奇声をあげて叫んだ安里に、両親は何が起こったのかわからなかった。
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