【新】レンタルフレンド～お友達をお貸しします～

「“私のため”って、一体何なのよ！

“私のため”だって言いながら、あんたたちは私をそばに置いて縛りつけたいだけじゃないか！

私のためを思っているんだったら、私の言うことを聞いてくれたっていいじゃないか！

わがままを聞いたっていいじゃないか！」

「安里ちゃん、やめて！」

「安里、やめるんだ！」

両親の叫んでいる声が聞こえるが、安里はそれらを無視して手当たり次第にものをつかんであちこちに投げつけた。

「安里だって遊びたいのに！

安里だってみんなと一緒に遊びたいのに！

何で安里だけ仲間外れにされるの！？

何で安里だけ、みんなから無視されるの！？

安里はみんなと同じがいいのに、何でバカにされなきゃいけないの！？」

「安里ちゃん、もうやめて！」

ガシャンと、窓ガラスが割れた音がする。

両親の止める声が入ってくるが、すでに壊れてしまった安里の耳に入っていなかった。