銀色の月は太陽の隣で笑う


「ルン……?」


声をかければ、楽しそうにふにゃんと目尻を緩めたルウンが小首を傾げる。サラリと肩から零れ落ちた白銀の髪が、テーブルを撫でて落ちた。


「おいしい」


もう一度、同じ言葉が繰り返される。

トーマの顔から笑顔が消え、次第に困惑した表情に変わっていく。


「もしかして、酔ってはいない……よね?」


こてんと首が傾くと、またサラリと髪が流れる。


「おいしい!」


三度目となるそのセリフに、トーマは答えを待つことなく納得した。


「アルコールは飛んでいるはずなのに……なんで?」


聞いたところで本人は、ふにゃりと楽しげに笑って首を傾げるばかりで、答えが返ってくることはない。


「おいしー!」


体が火照っているのか、赤く染まった頬を緩めて楽しそうに笑い、四度目のセリフを発してルウンがカップを傾ける。

一気に半分程飲み干して、ぷはーと豪快に息を吐くルウンは、いつもとは全く様子が違ってトーマを困惑させる。


「ル、ルン、もうその辺でやめておいたほうが……」

「ルウン!」
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