銀色の月は太陽の隣で笑う
「いただきます!」と早速ホットサンドに手を伸ばすと、熱いけれど掴めないほどではないそれに、豪快にかぶりつく。
焼けたパンがカリカリッとこ気味いい音を立て、中のチーズがみょーんと盛大に伸びた。
次にスープ。クリームと一緒になっているおかげでトマトの酸味が抑えられていて、まろやかな味わいが何とも美味しい。
目玉焼きは、フォークを差し込むと半熟の黄身がトロッと皿に流れ出す。
これまで、ルウンに合わせて食事はスープ、それも飲んだり飲まなかったりを繰り返していたトーマのお腹は、久しぶりのちゃんとした食事で満たされていく。
この瞬間に始めて、トーマは自分がとんでもなく空腹だったことに気がついた。
目玉焼きにフォークを使う以外は、ホットサンドは手掴み、スープは器から直飲みと、がっつき過ぎにも程がある食事風景だったが、ルウンは準備したカトラリーが使われなくても特に不満はない。
むしろ、美味しそうに作ったものを平らげてくれるトーマの姿が嬉しかった。
「うん、美味しい。すっごく美味しいよ。やっぱり、僕が作ったものなんか比べ物にならないね」