銀色の月は太陽の隣で笑う
そんな言葉がまた嬉しくて、ルウンははにかむようにして笑ってみせる。
その笑顔に胸が高鳴り出す前に視線を皿に落としたトーマは、「あれ……」と呟き、もう一度顔を上げた。
「そう言えばルン、風邪はどうしたの?」
「治った」
今更すぎる質問への答えは簡潔で、思わず、へーそっかと流してしまいそうになったところで、トーマは慌てて首を振り、出かかった言葉を押し戻す。
「ちょっとごめん!」
断りを入れながら手を伸ばすと、食事中のルウンの額に手の平を押し当てる。
一瞬ビックリしたように目を見開いたルウンだったが、その後は特に嫌がる素振りもなくされるがまま。
でも食事はしづらいので、手にしていたスープの器とスプーンは一旦テーブルの上に戻した。
トーマは、片方の手をピタッとルウンの額に当てて、もう片方の手は自分の額に当てる。手の平に伝わってくるのは、熱さではなく温かさ。
しばらくして、トーマはそっと額から手を離すと、ルウンの顔をまじまじと見つめた。