銀色の月は太陽の隣で笑う
「本当に、治ったの……?」
驚いたようなトーマの視線を真っ直ぐに見つめ返し、ルウンはコクりと頷いた。
「昨日の夜、体ぽかぽかして、凄く暑くて、起きたらもう元気」
言われてみれば、確かにルウンは夜になって随分と暑そうに何度も布団を跳ね除け、汗もたくさんかいていた。
本当は一度着替えさせたかった程だが、せっかく眠っているところを起こすのはかわいそうで、夜通し額から零れる汗を拭った事は覚えている。
ついでに、そんなルウンの容態が落ち着いたところで、正しく落ちるように眠りについたことも思い出した。
そうして昨夜の記憶を辿っていくうちに、トーマの中に、笑顔と温かさと、“寂しい”と呟く声が蘇る。
途端に、トーマの顔が分かりやすく朱に染まった。
不思議そうに首を傾げるルウンから、トーマは慌てて視線を逸らす。
その姿を視界に収めていると、どうにも昨日のことを思い出してしまって仕方がなかった。
不自然に逸らされたその視線に、ルウンは訝しげな表情を浮かべる。
「治ったって言っても病み上がりだから、あんまり激しく動き回らないで、今日も一日静かにしているのがいいと思うよ。せっかく元気になったのに、ぶり返したらよくないしね」
「トウマ、どこ見てる?」