銀色の月は太陽の隣で笑う
トーマが屋根裏に上がるより少し前、寝室の壁に背中を預けてうずくまっていたルウンは、片付けを終えたトーマが近づいてくる足音を聞いて、慌ててベッドの中に潜り込んだ。
頭からすっぽりと布団を被ってまもなく、寝室の前でピタッと足音が止まる。
声をかけられたらなんと答えたらいいのか、それともこのまま寝たフリをするのがいいのか、ぐるぐると考えていたルウンだったが、結局トーマはしばらくそこに立ち止まっていただけだった。
声をかけず、中を覗いてみることもなく、トーマは寝室の前を離れて屋根裏へと階段を上っていく。
足音が完全に聞こえなくなったところで、ルウンはそうっと布団から顔を出して、出入口部分を窺った。
そこは相変わらず扉の形にポッカリと空いているだけで、今はもう誰も立っていない。
詰めていた息をそっと吐き出して、ルウンはもぞもぞと布団から出てくると、ベッドの端に足を床に下ろして座った。
今日のトーマは、昨日までとはどこか違う。その事が、ルウンの胸に痛みをもたらす。
今日とは言っても、朝食を食べている時までは変わりがなかった。昨日までと同じ、優しくて温かいトーマだった。