銀色の月は太陽の隣で笑う
それが変わってしまったと感じたのはいつからだったか――確か、風邪が治ったという話をしていた辺り。夜に体がポカポカしたのだと話したあと、トーマの顔がなぜだか朱に染まった。
なにがいけなかったのか、なにがトーマの態度を変えてしまう原因となったのか、考えたけれどさっぱり分からない。
今日ではなく昨日に原因があったと仮定してみても、やっぱりルウンには思い当たる節がない。第一、昨日のことでルウンが覚えているのは、トーマが作ったホットワインを飲む前まで。
そこまでは記憶がはっきりしているが、そこを堺に記憶が曖昧になる。
頭がポーっとして、ふわふわと心地よくなったのはなんとなく覚えているし、何か話をしたような気もする。覚えているのはそれらと、始終気持ちが高陽していたことくらい。
次に記憶がはっきりするのは、今朝方ベッドで目覚めたあと。
自分が覚えている中に、トーマの態度が変わってしまった理由は見つからない。
それがまた、ルウンの胸にツキツキとした痛みを与える。
しばらく下ろした足に視線を落として考え込んでいたルウンは、やがて顔を上げて立ち上がった。