銀色の月は太陽の隣で笑う
それにルウンは、その場限りの雨宿りを願ったトーマに、自ら部屋を提供すると言ってくれたのだ。
「これは、だいぶポジティブに考えたって、嫌われていないってことでいいよな……」
それでも、自信がないから言葉尻は曖昧になる。
トーマの分も欠かさず料理を作ってくれて、午後のお茶にもお菓子つきで招待してもらえるのは、少なからずいい感情を抱いていてくれるのかもしれないとは思うが、それがすなわち“好き”だということにはならない。それくらいは、トーマにだって分かっている。
「きっと嫌われてはいないと思うんだけど……特別好かれてもいないよな。好かれる理由が思いつかないし」
嫌われていないと思えるだけで一安心だが、好かれてもいないとなると少し寂しい。
「となると普通、か。……普通って、この場合はいいのか?それとも悪いのか?」
誰にともなく疑問をぶつけてみるが、当然返ってくる答えはない。
「普通っていうのはつまり好きでも嫌いでもないわけだから、好きでも嫌いでもどっちでもないわけで、だからつまり…………」
自分の尻尾を追いかけてぐるぐる回る犬のように、トーマの脳内もまた、ぐるぐると同じところを回り続ける。