銀色の月は太陽の隣で笑う
ルウンの仕事は中々に手早くて、トーマが階段を下りて物を置き、また戻って来る頃には、既に次の物が待ち構えていた。
それもこれも、トーマを待たせないようにとのルウンの配慮なのだが、おかげでトーマは休む間もなく階段を往復している。
どんなに頑張ってもルウンの方が早くて、挙句明らかに割れていると思しき食器が詰まった箱を手に、自分も運ぶと言い出す始末。
「大丈夫!手が空いたなら休んでいていいよ」とその手から箱を受け取るも、トーマの体力は既に限界に近かった。
「……これで全、部……?」
何度目かの往復を終えて、階段にヘタリ込むようにして二階に顔を出したトーマを、ルウンは何とも言えない表情で迎える。
「まだ……。あと、少し残ってる」
その声に顔を上げれば、ルウンが埃を落とし終えた物達が、トーマに運ばれるのを今や遅しと待ち構えていた。
「まだ。あと、少し……」
ルウンのセリフを繰り返してから、トーマは力なくがっくりと項垂れる。