銀色の月は太陽の隣で笑う
その姿を気遣わしげに見つめたルウンは、近づいて行ってトーマの前にしゃがみこむと、首を傾げるようにしてその顔を覗き込んだ。
「トウマ、疲れた?」
ここは例え強がりでも、男として、そんなことはないと答えるべきかとも思ったが、正直な体から、その強がりを全力で拒否するように力が抜けていく。
「正直、かなり……」
苦笑気味に笑って見せるトーマに、ルウンはコクっと一つ頷いてから立ち上がった。
「そろそろ、お茶の時間」
そう言い残して、ルウンは座り込むようにしてへたばっているトーマを避けて、パタパタと階段を駆け下りていく。
その足音を聞きながら、トーマは小さくため息をついた。
「僕ってば、なんて情けない……。ルンはまだあんなに元気なのに」
元より階段を往復して物を運ぶのと、箒を使って埃を落とすだけでは体力の消耗具合は全く違うのだが、トーマはただひたすらに自分の不甲斐なさを嘆く。
下の階から微かに聞こえてくるカチャカチャとカップが立てる音に耳を澄ましながら、トーマはしばらく体を休めるように目を瞑った。