銀色の月は太陽の隣で笑う
途端に、トーマの目がキラリと光って、ワクワクした顔がカップの中を覗き込む。
中身は乳白色で、湯気にのってふわりと甘い香りが漂った。
「いただきます!」
早速口に含んでみれば、とろけそうなほどに甘いミルクの味わいが、口いっぱいに広がる。
その優しい甘さは、疲れた体にじんわりと染み込んでいく。
「なんだか、ほっとする味だね」
ほうっと息を吐いてから笑って言うトーマに、ルウンはコクリと頷いてみせてから、自分もカップを口に運ぶ。
温めたミルクに砂糖と卵黄、バニラエッセンスを加えて作った飲み物は、その甘さと温かさが、優しく疲れを癒していく。
しばし二人は静かにカップを傾け、その味に浸っていた。
この時ばかりは、降り続ける雨音も心地よく感じられる。
「甘いものは疲れに効くって聞いたことがあったけど、ほんとなんだね」
しみじみとしたトーマの言葉に、ルウンはほんの微かに首を縦に振って同意を示す。
再び二人の間に沈黙が訪れた時、不意にどこからともなくいい香りが漂ってきた。