銀色の月は太陽の隣で笑う
トーマは、早速パンを手で掴み上げる。
「あつっ!」
持ち上げた拍子にとろっと指に零れ落ちたホワイトソースに、トーマは慌ててパンを皿に戻した。
すかさずルウンが、フォークとナイフを差し出す。
「ちょっとがっつき過ぎちゃった」
トーマは、ははっと照れくさそうに笑う。
「では、改めまして。いただきます!」
ザクザクと固い音を立てながら、トーマはパンにナイフを入れていく。
二枚重なり合っていた食パンの間には、更にミートソースが挟んであった。
挽き肉に潰したニンニク、みじん切りのタマネギとニンジンとセロリに、荒く切ったトマトとトマトペースト、更に香草を加えたルウンの手作り。
切り分けられたパンの上で、チーズとホワイトソースが混じり合って、とろりと皿に流れ落ちる。
トーマはそれをナイフで掬ってパンに塗り、息を吹きかけて冷ましてから口に運んだ。
ザクザクと音を立てて噛み締めるトーマを、ルウンは不安げな面持ちで見つめる。
「うん、思った通り!いや、思った以上に美味しい。全然焦げてなんかいないよ。むしろ、香ばしくていい感じ」