銀色の月は太陽の隣で笑う
笑顔のトーマに、ようやくルウンは安心したように顔を綻ばせる。
そして、ナイフとフォークを持って自分の分に手をつけようとしたところで、ふと動きを止めた。
「ん?」
ジッと見つめる視線にトーマが首を傾げると、ルウンは自分の口の端をトントンと指先で触ってみせる。
その仕草をなぞるようにトーマも自分の口元に指を当てて、苦笑いしながらパンの欠片を摘んで口に放った。
「今日中に終わるかな……」
ポツリと呟かれた言葉に、ルウンもザクザクとパンを切り分けながら首を傾げる。
「まあとりあえず、屋根があれば雨はしのげるから問題ないか。あっ、でも安心してね!部屋の片付けは、責任を持って終わらせるから。でないと、お礼にならないしね」
お礼と言うと、ルウンもお礼のつもりでトーマに部屋を貸す予定なので、なんだか変な感じがする。
お礼のお礼には、またお礼を返すべきなのだろうか――。
切り分けたパンにフーっと息を吹きかけながら、更にはふはふと熱気を逃がして咀嚼しながら、ルウンは密かに考える。