銀色の月は太陽の隣で笑う
何度目かの往復を終えたトーマの言葉に、ルウンはコクっと頷いて、今しがた受け取ったばかりの箱の置き場所を考えながら歩いていく。
中身は、置物やら花瓶やら写真立てやらの細々とした物。
あっちに置こうか、それともこっちに置こうか、キョロキョロと辺りを見回して悩むルウンを、トーマは後ろで静かに見守る。
何かあれば手伝いを、と思ってはいるのだが、ルウンは大抵のことは一人でやってのけてしまうので、中々トーマの出番はやってこない。
長く一人で暮らしていたからなのだろうが、ルウンは他人に頼ることを知らなすぎる傾向にあった。
ふらつきながら重たい物を持ち上げたり、高いところにつま先立ちで必死に手を伸ばしたりと、すぐそばにトーマがいても、決してルウンの方から声をかけることはない。
そんなルウンと一緒にいるうちに、トーマは自然とその姿を目で追いかけるようになっていた。
なんというか、とても危なっかしいのだ。
「ルン、疲れてない?」
無事に箱の置き場を定めたルウンの手が開いたところで、トーマは声をかける。