銀色の月は太陽の隣で笑う
振り返ったルウンは、間髪いれずにふるふると首を横に振った。
それに合わせて、白銀の髪も左右に揺れる。
雨で昼間でも薄暗い屋根裏にあっても、その白銀は思わず目で追ってしまうほどに美しい。
「……トウマ、疲れた?」
ついつい見とれてしまっていたトーマは、気遣わしげに自分を見つめるルウンにハッとして、苦笑しながら首を横に振る。
「まだ全然大丈夫だよ」
“全然”はちょっと言いすぎな気もしたけれど、トーマとしては、昨日散々情けない姿を見せたところなので、これくらいは見栄を張っておきたかった。
けれど、「本当に……?」とルウンが疑わしそうな顔をしているところを見ると、見栄だと見破られている可能性は無きにしも非ず。
「本当に本当だよ」
どこまで信じてもらえるかは分からないが、出来るだけ自然に、無理をしているようには見えないように、トーマは”大丈夫”なのだと伝える。
やはり、最初に情けない姿を晒してしまったのは失敗だった――と密かに悔やみながら、トーマは次の物を取りに階段を下りていく。
一人残されたルウンは、疑わしさの中に気遣わしさも滲ませた視線で、その背中を見送った。
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