銀色の月は太陽の隣で笑う
元より、会話をするのは好きだがお喋りなたちではないトーマと、一人ぼっちに慣れすぎてそもそも自分から口を開く事のないルウンとでは、当然のように沈黙が続く。
けれども、お互いその状況に特に苦痛は感じていない。
そうして今日も、午後のお茶の時間は、必然的な沈黙の中にあった。
テーブルの上にはいつも通りカップが二つと、二人分のお茶が入ったティーポット、今日はそこに、皿に盛られたビスケットとジャムの瓶が一つ追加されている。
トーマはルウンが野イチゴで作ったジャムを、こちらも手作りのビスケットにたっぷりとつけて口に運んだ。
サクサクのビスケットはちょっぴり塩気があって、それがジャムの甘味をいい具合に引き立てている。
ビスケットは単体で食べても美味しいので、トーマは時折何もつけずにビスケットを摘みながら、なんとなしに隣に座っているルウンを眺めた。
小さな口ではぐはぐと少しずつビスケットを齧っている姿は、相変わらずリスのよう。
ちょっと手の平に乗せてみたい……などと思ったことは、もちろん口に出しては言わない。
そうやってぼんやりと眺めていたら、不意に顔を上げたルウンと目が合った。