銀色の月は太陽の隣で笑う
「あ、りが……とう」
ん?と僅かに首を捻ったトーマは、程なくして納得したよう頷く。
「どういたしまして。ごめんね、急に触ったりして」
ルウンはふるふると首を横に振ると、ティーポットを持ち上げてトーマの方に向ける。
「トウマ、おかわり、いる……?」
「あっ、うん。いただくよ。ありがとう」
嬉しそうに笑ったトーマが近づけたカップに、ルウンはティーポットを傾けて、とぽとぽと中身を注いでいく。
ついでに残った分を自分のカップにも注いで、空になったティーポットをテーブルに戻す。
それから、どちらからともなく皿の上のビスケットに手を伸ばした。
再び訪れた沈黙に、降り続ける雨の音が自然と耳につく。
「……雨季だね」
窓の向こうを見つめながらポツリと呟いたトーマに、ルウンも窓の向こうに視線を移しながら、同意を示すように頷いた。
「ルンは、この雨季にもちゃんと意味があるって、知っていた?」
唐突なトーマの問いかけに、ルウンは窓から視線を外して首を横に振る。