銀色の月は太陽の隣で笑う


「ちゃんとね、意味があるそうだよ。この雨の時期にも」


それは初めて聞く話で、ルウンはその“意味”を教えてもらうために、トーマの方に向き直って居住まいを正す。

その様子にクスリと笑みを零したトーマは、「あのね」と先を続けた。


「これから、暑い季節が来るでしょ?だからその前に、雨をいっぱい降らせて地面に水を蓄えさせるんだって。でないと、日が照りつけた途端に地面が乾いて、作物が育たなくなっちゃうから」


それは確かにとても重要なことなので、ルウンは、なるほどと頷く。

ほとんど毎日、それもほぼ一日中雨が降っていれば、憂鬱な気分にしかならない雨季だったが、そこにもちゃんと意味があるのだと分かれば、憂鬱さも少しは軽くなる。

雨季のおかげで作物が育つということはつまり、ルウンが育てている野菜達も、その恩恵に預かっているということなのだから。


「まあ、あんまり量が多くても、今度は地面が蓄えきれなくなって、災害に繋がったりするんだけどね。いい面もあれば悪い面もあって、一概には何とも言えないのが、この雨季だとも言えるかな」
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