銀色の月は太陽の隣で笑う
これにもルウンは、なるほど……と神妙な顔で頷いた。
降らなければその年は凶作となるが、降りすぎれば災害に繋がるとくれば、確かに一概にいいとも悪いとも言えない。
今まで、憂鬱だ早く明ければいいと不満を零すだけだった雨季が、突然ルウンの中で意味を持つ。
忘れないように幾度か頭の中でトーマの言葉を反芻させてから、ルウンは小さく息を吐いてカップを持ち上げた。
少し冷めてしまったけれど、この方が飲みやすい温度であるとも言える。
トーマの方はビスケットに手を伸ばしていて、噛むたびにサクッサクッと軽い音が部屋に響いた。
ルウンもカップを置いてからビスケットに手を伸ばすと、ジャムをたっぷりとつけてから口に運ぶ。
サクッと口の中で崩れたビスケットを、野イチゴの甘酸っぱいジャムと一緒に噛み締める。
雨季の間は外に出られないため、必然的に家の中でお茶を飲むしかなく、それではいまいち気分も盛り上がらなかったのが、トーマと一緒ならば、それでも楽しく感じられるから不思議だった。