銀色の月は太陽の隣で笑う
ルウンはカップの中に半分ほど残っていたお茶に、なんの気なしに野イチゴのジャムをスプーンでひと匙ぽとりと落として、ぐるぐるとかき混ぜる。
ほどよく混ざったところでカップを持ち上げると、驚いたように自分を見つめているトーマと目が合った。
「……今、ジャムを入れたの?」
何をそんなに驚くことがあるのかと思いながらも、ルウンはコクりと頷いてみせる。
トーマは驚愕に目を見開いたままで、ルウンの持つカップを見つめていた。
「ルンは普段から、紅茶にはジャムを入れるの?砂糖じゃなくて?」
これにもまた、ルウンはコクりと頷く。
昔から、お茶に甘味が欲しい時にはいつもジャムを入れていた。
砂糖とは違って、混ざりきらなかったジャムの塊が時折口に滑り込んできたりするところが、サプライズ感があって凄く楽しいのだ。
粗めに潰された果肉を齧ると、ほんのりお茶の風味がして甘酸っぱい。
「そっか……」
自分のカップに視線を落としたトーマは、とても残念そうに呟いた。