猟犬に愛された姫~ドリームライブ~
「これ!!」



靴を脱がせて稚菜の足を見ると
足首が腫れていた。
さっきパンチの衝撃で倒れたとき
くじいたに違いない。


「うそ…。」


それを見たまりさんも驚いていた。




『あたしは大丈夫。』



「そんな足でムチャです。」



安藤は稚菜を止めた。
この足でダンスどころか殺陣なんて無理だ。




『あたしはこのくらいで負けない。
だってあたしは笑顔と幸せを届けたい。』



俺は安藤が持ってきた
救急箱からテーピングテープを出した。



「なにしてるの!?」


縁さんはいきなり稚菜の足首に
テーピングを巻く俺を怒鳴った。



「殺陣は俺かカバーする。
テーピングもしたし少しは痛みは
マシになると思うけど無理はするな。」



『ありがとう…』




稚菜はテーピングが終わるとステージに
向かって歩き出した。



本当にムチャばかりしやがる。










< 111 / 126 >

この作品をシェア

pagetop