桜時雨の降る頃
「二階堂さんさぁ、ハッキリ言うけど、邪魔なんだよね」
……本当にハッキリ言うな、と目を丸くしてその言葉を発した本人を見た。
キャプテンだった。
わたしもしおらしくしてればいいのに、わざとトボける。
こういう所は朔斗からの悪影響を受けてる気がする。
「何のことですか?」
「あんたに用があるなんて、朝霧兄弟のことに決まってんじゃん」
「はぁ」
勝手にわたしイコール朝霧兄弟にしないで欲しい、と思った。
「毎日一緒に登下校するとかさ。ガキじゃないんだから考えなよ」
「そうだよ、朝霧兄弟だって迷惑でしょ。子守じゃあるまいし」
違う先輩が口を挟む。
……どういう意味よ。
子守してんのは、どちらかと言えばわたしなんですけど。
と、ちょっとカチンと来てしまった。
「……迷惑って彼らがそう言ったんですか?」
「言ってないけどそう思ってるに決まってるじゃん。特に陽斗くんは優しいし」