桜時雨の降る頃

陽斗たちがそんなこと思ってるわけない。

先輩たちの勝手な想像だ。

それは分かっているけど、考えさせられる。

ーーわたし達は、もう一緒にいたら不自然なんだろうか。



一緒にいる限り、こうして先輩や同級生の女子にやっかまれるのは、仕方のないことなの?


“ガキじゃないんだから”

キャプテンの言葉が耳に響く。

小さい頃のままじゃダメなのかな。

すごく居心地がいいのに。


「幼なじみだからって、調子乗らないでね。


まさかとは思うけど、どっちかと付き合ってたりしないよね?」


ジロジロと不躾な視線を受けて痛くもない腹を探られてる感じに不快感が増す。


「調子になんて乗ってません。
付き合ってもいません。
一緒の登下校もやめます。これでいいですか?」


売り言葉に買い言葉で、少し強めの口調で答えてしまった。

ーーわたし自身を否定されたみたいで、悔しかった。

あの2人と一緒にいるのを許されない自分が何だか惨めだ。









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