桜時雨の降る頃
二の句が継げなくなったのか、先輩は黙っているようだ。
沈黙が流れている。
「俺らのために言ってくれたみたいですけど、
やめてもらえませんか? 雫をターゲットにするのも」
陽斗がやんわりと諭すように言った。
「……あんな子と付き合ってるとか思われてもいいわけ?」
「センパイより全然マシですね」
…………こら、朔斗。
相手の怒りを煽りすぎでしょ。
「なっ! ちょっと酷いんじゃない!? 1年のくせに生意気なのよ!」
キャプテンじゃない、別の先輩が食ってかかった。
ところが、キャプテンの冷たい声がなおも続いた。
「どうしよっかな。そんなふうに言われちゃうとますます指導したくなっちゃう」
クスクスと笑っているのが分かる。
こんなに性悪だったんだ、この人。
思わずゴクンと唾を飲み込んだ。
「そんなにあの子に構ってほしくないなら、私と1日付き合ってよ。それで許してあげる。
どう? 簡単でしょ?」
沈黙が流れている。
「俺らのために言ってくれたみたいですけど、
やめてもらえませんか? 雫をターゲットにするのも」
陽斗がやんわりと諭すように言った。
「……あんな子と付き合ってるとか思われてもいいわけ?」
「センパイより全然マシですね」
…………こら、朔斗。
相手の怒りを煽りすぎでしょ。
「なっ! ちょっと酷いんじゃない!? 1年のくせに生意気なのよ!」
キャプテンじゃない、別の先輩が食ってかかった。
ところが、キャプテンの冷たい声がなおも続いた。
「どうしよっかな。そんなふうに言われちゃうとますます指導したくなっちゃう」
クスクスと笑っているのが分かる。
こんなに性悪だったんだ、この人。
思わずゴクンと唾を飲み込んだ。
「そんなにあの子に構ってほしくないなら、私と1日付き合ってよ。それで許してあげる。
どう? 簡単でしょ?」