桜時雨の降る頃
それからわたし達は、3人で話し合った。



最初は反対されていた“距離を置く”案に結局落ち着くこととなった。


どんなに2人がわたしを認めてくれていても

わたしが彼らのそばにいる限り、さっきみたいなことは繰り返されると思うから。


学校では今までみたいに接触しない。

他のクラスメイトと同じくらいの距離感で。

登下校も出来るだけ別。

ーーーーほとぼりが冷めるまで。


そうすれば周りも馴れてくるはず、そう言い聞かせた。


「しっかし、こんな対策立てなきゃならないなんてアホくさ。 モテる男は辛いな〜、陽斗?」

まるで自分は違うと言わんばかりに陽斗に責任を押し付けている朔斗。

「俺じゃなくて朔斗だろ。なすりつけるなよ」

陽斗は陽斗で自分じゃないと思っているらしい。

なんでこんなに鈍感なのがモテるんだろ……

しょうもない2人の会話を聞いていると、
1番迷惑を被っているのはわたしっていう事実に釈然としない。

はぁ、と大きなため息をついたところで朔斗が


「あ! いいこと思いついた!」

と言ってニヤリと口角を上げた。

嫌な予感しかしない。


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