桜時雨の降る頃
「好きなタイプ?
俺はやっぱり、出るトコ出てて締まってるとこは締まってるタイプが」
女性の曲線を思い浮かべて、手振りで説明をしようとする朔斗の頭をパシッと叩いてそれ以上の話を遮った。
「スケベ」
「スケベってお前なぁ、男なら誰しもが考えるっつーの! 安心しろよ、お前みたいな幼児体型には1ミリも興味ないから」
朔斗の暴言にカチンと来たわたしは、静かに朔斗の前に立ち、拳に渾身の力を込めて両方のこめかみをグリグリとしてやった。
「イタタタっ! やーめーろー!!」
ギブギブ、とわたしの手首を掴んで必死に離そうとする。
その様を見ていた陽斗も呆れて呟いた。
「……今のはお前が悪い」
「だよね!?」
ジロッと朔斗を睨みながら、パッとわたしは手を離した。
反動で朔斗の身体が若干仰け反る。
「好きなタイプっていうから答えただけなのによー」
「カラダの好みじゃないのよ、みんなが聞きたいのは」
あー、痛かった、とブツブツ言う朔斗はひとまず無視して、陽斗に向き直る。
「陽斗は? 芸能人でいうとどーいう人がタイプ? あと性格とか」
「ん〜? そうだなぁ、見た目でいうと……」
陽斗が言うには、見た目は爽やかアイドル系。
性格は明るくて優しい子。
という、まぁ無難で王道的な答え。
そして朔斗は、見た目はセクシーグラビア系、
性格はミーハーで我儘じゃなければOKという
妙な具体例の入った結果だった。