桜時雨の降る頃
中学生活の大イベント、修学旅行。
この時に勝負をかける!と意気込む女子を噂だけでも何人聞いたか。
3泊4日の間に、チャンスはいくらでもある。
中には夜、男子部屋に行こうと計画するコたちもいて、わたしもその話に巻き込まれかかっていて参ったりしていた。
1日目の夜、みんなで布団に入ってからお決まりのお喋りが始まると早速質問が飛んできた。
「ねぇ、シズ。あの2人って結局今まで彼女いたことあるの?」
「あ、それ気になるよね〜。噂になってたコは何人かいたじゃない?」
そう。
例えば陽斗が○○ちゃんとデートしてるとこを見かけた、とか
朔斗が○○ちゃんと手を繋いで帰ってた、とか
それらしい噂は何件かあった。
そのたびに何故かわたしが火消しに回る羽目になっていて
いまだに双子には小さい頃とは別の意味で迷惑をかけられていた。
でも、その頃にはわたしにも少しだけ複雑な感情が芽生えていたんだ。
デートをしていた噂とか、
それが事実だった時のわたしの胸の内は万華鏡のように複雑怪奇だった。