桜時雨の降る頃
「うーん、最近はあの2人もわたしにそーゆう類の話、ちゃんとしてくれないからなぁ。どれが本当なのか分からないよ」


「そうなの? まー、いくら幼なじみでも全部は言わないか。子供じゃあるまいしね」


……いつか先輩に言われた“ガキじゃないんだから”という言葉を思い出す。

今ならあの頃よりその意味が分かる気がした。


「ていうかさ、しーちゃんには好きな人いないわけ?小学生の頃からその手の話しないよね」

佳奈ちゃんから痛い話を振られた。


「シズは朝霧兄弟と一緒に育ってるから男見る目厳しそーだもんね」

あはは、と別の友達が笑いながら言ってくれる。

そんなつもりは全然ないんだけど

でも確かに、他の男子たちと双子とを無意識に区別してるフシはある。
何でも双子基準で見てしまうのだ。
これは意外と困ったクセだな、と自分でも最近気づいた。


「いいな、と思う程度の人ならいたけどね? 」

「あー、2年の時だっけ? バスケ部の先輩かっこいいとは言ってたね」

つまりただの憧れだ。

それが恋の始まりと言われればそうなのかもしれないけど、そこまでもたどり着かずに終わっていたと思う。


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