桜時雨の降る頃



2日目は自由行動だった。

各班で前もって行くところを計画して、そのとおりに行動する。

昨晩、佳奈ちゃんに言われたことがどうも頭の片隅にこびりついて離れない。

それでも何とか、わたしたちの班が一通り廻り終わった頃、陽斗の班と出くわした。


「雫たちの班、もう終わり?」

「うん。集合までまだ少し時間あるから買物でもしよっかって言ってたとこ」

そっか、と頷いて少し考えるように顎に手を添える陽斗。


「さっきいいとこ見つけたんだ。雫も行かない?」

「へ? いいけど、どこ?」

こっち、と肘を軽く掴まれて陽斗は先に足を踏み出す。

その傍ら、他のみんなに「ちょっと借りるよ。集合時間までには戻るから」と告げてサクサク歩いていってしまう。

わたしは首根っこをつかまれた猫のようになす術もなく「みんな、ごめん!」とだけ言ったけれど

わたしの班メンバーの子達はポカンとしてその場に立ち尽くし、それでも佳奈ちゃんだけはすぐに状況を察したのか「やっぱりね」っていう顔をしていた。

え? 何が?
何がやっぱりなの、佳奈ちゃん!!

とわたしは心の中で叫んでいたけど、陽斗はゴキゲンだった。
< 40 / 225 >

この作品をシェア

pagetop