桜時雨の降る頃
けれど気持ちは一応伝わったのか、陽斗は穏やかに笑みを浮かばせて「うん」と頷いていた。
なんか嬉しそう……。
わたしが喜んでるから?
ーーいや、まさかね。陽斗はみんなに優しいし。
「雫は、男子部屋来ないの? 昨日何人か来て、先生に速攻見つかってたよ」
「あー、らしいね。わたしはパスかなぁ、あの子達みたいに好きな人がいるとかじゃないし。見つかって半日謹慎とか嫌だし」
「ふーん。じゃあ俺がそっち行こうかな」
「えっ? ダメだよ、陽斗が来たら女子たちがえらいことに」
思わず焦って止めた。
陽斗が来たら格好の餌食になっちゃうからだ。
肉食女子は恐ろしい。
「こっそりだよ、こっそり」
「陽斗にこっそりは無理でしょ。何か内緒でやろうとするとすぐバラしちゃう天然さんなんだから」
「いつの話だよ、大丈夫だって」
「ダメダメ。連帯責任でこっちまで怒られるのイヤ」
ちぇ〜っとぶすくれてるのを尻目に、わたしは残りのお茶を口に含んだ。
時計を見ると、いい時間になっている。
「そろそろ行こ! 遅れちゃう」
「はいはい」
立ち上がって、わたし達は揃ってお店を出た。
集合場所で、みんなの好き勝手な憶測が飛び交っているとは知らずに。
なんか嬉しそう……。
わたしが喜んでるから?
ーーいや、まさかね。陽斗はみんなに優しいし。
「雫は、男子部屋来ないの? 昨日何人か来て、先生に速攻見つかってたよ」
「あー、らしいね。わたしはパスかなぁ、あの子達みたいに好きな人がいるとかじゃないし。見つかって半日謹慎とか嫌だし」
「ふーん。じゃあ俺がそっち行こうかな」
「えっ? ダメだよ、陽斗が来たら女子たちがえらいことに」
思わず焦って止めた。
陽斗が来たら格好の餌食になっちゃうからだ。
肉食女子は恐ろしい。
「こっそりだよ、こっそり」
「陽斗にこっそりは無理でしょ。何か内緒でやろうとするとすぐバラしちゃう天然さんなんだから」
「いつの話だよ、大丈夫だって」
「ダメダメ。連帯責任でこっちまで怒られるのイヤ」
ちぇ〜っとぶすくれてるのを尻目に、わたしは残りのお茶を口に含んだ。
時計を見ると、いい時間になっている。
「そろそろ行こ! 遅れちゃう」
「はいはい」
立ち上がって、わたし達は揃ってお店を出た。
集合場所で、みんなの好き勝手な憶測が飛び交っているとは知らずに。