桜時雨の降る頃

集合場所へ戻ると、時間ギリギリだったせいかほとんどの班が揃っていて
2人で帰ってきたわたし達はみんなからの注目を浴びてしまっていた。


目立つことに慣れてないわたしは、そそくさと自分の班へ向かった。
その途中、みんなのボソボソ声が耳に入ってきて、顔中に熱が集まる。


「あの2人って付き合ってるわけ?」

「え、ただの幼馴染でしょ」

「手繋いでなかった?」

「堂々とデートかよ」

………………。

うわ。参った。こんな騒ぎになっちゃうなんて。


いやいや、手は繋いでないよ?

……なんて心の中で否定してる場合じゃない。

どうしよう、完全に噂になってる。


ようやく自分の班にたどり着いたわたしは、多分真っ赤になっていたのだろう。

開口一番、ニヤニヤした佳奈ちゃんに

「どうだった?デートは」

と聞かれてしまった。

「ち、違うってば!」

すぐさま否定はしたものの、2人で抜けていたのは事実なので説得力はない。

ちらっと陽斗の方を伺うと、わたし以上に人に囲まれてとやかく訊かれているようだった。





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