桜時雨の降る頃

そうは思っても、その考えには蓋をしたくなるんだ。

まだ壊したくない。

可能なら、もう少し。仲良し3人組でいたい。

3人の誰かに、本当に彼氏彼女が出来てしまったら

きっと今までみたいにはいられないって

3人とも心のどこかで気付いてる。



だから、佳奈ちゃんの言うことが妙に胸に刺さるんだ。


「しーちゃん、ごめん。そうだよね、3人には3人の絆があるもんね。変な茶々入れて意識させるのよくないね」


黙っていた佳奈ちゃんが、両手を合わせて頭を下げてくれる。


別に佳奈ちゃんは悪くないのに、謝らせてしまったのはわたしだ。



「ううん、こっちこそごめん。佳奈ちゃんの言ってることも分かるんだけど。

…………まだ、わたし達の関係に白黒つけたくないの」


言いながら、わたしってずるいな、と思った。

誰も失いたくない証拠だ。

たとえ陽斗や朔斗にわたしではない好きな人がいたとしても

わたしとも今までどおりにしていて欲しいんだ。


< 47 / 225 >

この作品をシェア

pagetop