桜時雨の降る頃
そうは思っても、その考えには蓋をしたくなるんだ。
まだ壊したくない。
可能なら、もう少し。仲良し3人組でいたい。
3人の誰かに、本当に彼氏彼女が出来てしまったら
きっと今までみたいにはいられないって
3人とも心のどこかで気付いてる。
だから、佳奈ちゃんの言うことが妙に胸に刺さるんだ。
「しーちゃん、ごめん。そうだよね、3人には3人の絆があるもんね。変な茶々入れて意識させるのよくないね」
黙っていた佳奈ちゃんが、両手を合わせて頭を下げてくれる。
別に佳奈ちゃんは悪くないのに、謝らせてしまったのはわたしだ。
「ううん、こっちこそごめん。佳奈ちゃんの言ってることも分かるんだけど。
…………まだ、わたし達の関係に白黒つけたくないの」
言いながら、わたしってずるいな、と思った。
誰も失いたくない証拠だ。
たとえ陽斗や朔斗にわたしではない好きな人がいたとしても
わたしとも今までどおりにしていて欲しいんだ。