キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。



「…私を置いていったことが罪で償わないとと思っているなら、お母さんは私よりも幸せになって。
私を置いていったんだから、私よりも幸せじゃないと許さないからね?」


「…美瑚…ありがとう…ありがとう美瑚…っ」



お母さんの目から涙が溢れた。
どんなに仕事で疲れてもいつも笑顔だったお母さんが見せた初めての涙だった。



初めて見るお母さんの涙につられそうになるけど、ぐっと堪えた。



「…美瑚、もっと近くであなたを見ても…いい?」


「…っ…勝手にすれば?」



そう言えばお母さんは私に近付いて、皺の増えた手を私の頬に伸ばし目尻を指で優しくなぞられる。



「…こんなに大きく、綺麗になったのね……っ
あなたの成長を傍で見守ってあげられなくてごめんね…寂しい思いさせてごめんね…

でもこれだけは分かってほしい。
私は美瑚のこと産んで一度たりとも後悔なんてしてないわ。
…ここまで頑張って生きてくれてありがとう」


「…っ!……ほんとよ…どれだけ寂しくて、悲しかったと…思ってる、のよ…っ」



久しぶりのお母さんの温もりとその声を身近に感じて、堪えていた感情が涙と言葉になって溢れ出す。



ほんとは私もお母さんと一緒で怖かった。
向き合うと決めたけど、お母さんに"あなたを産んで後悔した"なんて言われるんじゃないかと否定的なことも考えていたから。



でも実際に話し合うと本音は違っていて。
きっと安心したからこの涙は出たんだと思う。



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