キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
【side 乃々葉】
病院のベッドに横になって真っ白な天井を眺める。
「玉山さん。これから採血始めていきますね。
そのまま寝ていてもかまいませんが、体調が悪くなったらすぐに教えてください」
「…わかりました」
看護師に腕を出して少し太い針が刺さる。
あいつに輸血のための採血を行う。
医者から色々説明があって、嫌なことに父親もその場に同席して話を聞いた。
「…本当にいいのか?」
同意書にサインをして帰ろうとすれば背中から聞こえた父親の声。
自分から言っといて何言ってんの。
そう言ってやりたかったけど、振り返ると眉をハの字にして心配そうにする父親の姿がそこにあって。
それが昔、あーしが転んで心配してくれた父親の姿と重なって言えなかった。
「…別に。あんたにとって大事な家族なんでしょ。あいつは」
そう言えばあーしの両手を握り何度もお礼を言われた。
ほんとに大切な人なんだと思い知らされる。