キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
心音が消える前にと心音に近づく。
あーしが言う前に心音に優しく抱き締められた。
『乃々ちゃん。私が死んだのは乃々ちゃんのせいじゃないよ?
お母さんの誕生日プレゼント買いに行けてよかったし、なにより私ね?乃々ちゃんの妹に産まれて幸せだったよ。
だから泣かないで?私は乃々ちゃんの笑顔が見たいな』
「…ほんと……どうして…っ」
"心音が死んで、どうしてあなたが生きているのよ!?"
母親みたいにいっそ嫌ってくれた方が楽だった。
それなのに…
"のーのー!ご飯!ご飯食べるよー!"
"乃々葉、今日は何食べたい?"
"乃々葉!好きなジュース買ってきたよ!"
"乃々ちゃん、一緒に、帰ろ?"
「…ほんとみんなしてバカなのよ」
目から流れる悲しみをそのままに消えかけている心音を見つめる。
あーしの表情をみた心音は一瞬目を丸くしたけど、次にはあーしの大好きな笑顔を見せてくれた。
『そうだよ。乃々ちゃんは笑ってる方がいいよ。
私は先に行くけど、いつまでも待ってるからね。
またね、乃々ちゃん』
心音の細めた瞳から一筋の涙が溢れて、それがこの空間に落ちた瞬間に光が広がりあーしは眩しくて目を閉じた。