キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
美瑚と話していると看護師がやって来て、あと30分くらいは様子見で安静にしているようにと言われた。
そして血液も無事に採取できたことも報告された。
ついでに昨日に行われた手術は成功したと報告もされた。
今日した採血は緊急時のためのものだと説明されたけど、緊急時なんてあったらまたあの父親に呼ばれるから勘弁してほしいものだ。
「…30分なにもしないとか暇すぎ」
「しょうがないでしょ。かなりの量の血液採ったんだから」
美瑚の言い方が一般世間の母親みたいと思ったけど、言うとまた頬を引っ張られそうだから心の中に止めておいた。
「…ねぇ、乃々葉。どうして協力しようと思ったの?あんなに拒否してたのにいきなり決めたから気になって」
「……そうね…」
ぼんやりと天井を眺めているとベッドザイドに座っていた美瑚が呟くように聞いてきた。
希穂の言葉が心に刺さったのは事実だけど、輸血しようというところまでは決断できなかった。
"アタシがもし乃々と姉妹で、乃々にめっちゃ嫌われてたとしても、アタシが乃々を助けられるなら乃々に殴られても乃々を助けるよ!"
「…美瑚に言われたこともすごく響いた。
でもなんでだろうね、七笑の言葉が更にあーしの心の奥に届いて。
そしたら頭がよく考えるようになってさ。
あーしが助けなかったら助けられないかもしれないって思ったら体が勝手に動いてた」