キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
"……"お母さん"と二人仲良くね"
乃々葉の口から聞こえてきた言葉は、誰も予想していなかった。
でも一番驚いているのは本人で。
きっと誰にも聞こえないと思ったんだろうけど、こんなに近距離にいるんだから聞こえないはずはない。
「っ…美瑚!そろそろ30分経つから看護師呼んできて…!」
「…ふっ、はいはい」
頭まで布団を被り姿を隠した乃々葉を見てつい笑ってしまった。
布団を被る直前に乃々葉の耳が赤くなっているのが見えたから。
布団の中から「ハズすぎる…っ」という声も聞こえ、それを聞いていた希穂ちゃんも笑いながらも乃々葉のいる布団を撫でている。
「あ!みーこアタシも行くよ!」
看護師さんを呼びに行こうと動くと七笑も私の後ろについてきた。
「乃々、よかったね」
「どうなるかと思ったけどね…お父さんとも仲直りでき…っ」
「うっ…!みーこ急にどうした…の…」
病室を出た瞬間に見えた光景に思わず立ち止まってしまった。
急に止まったことで七笑が私の背中にぶつかったことも今は気にする余裕もなかった。
七笑も私の背中から顔を出してその光景を見て言葉を失っていた。