キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
機械のついた点滴台にはいくつかの点滴が繋がっていて、その点滴の一つには輸血が繋がっている。
病室の出入り口に立ち尽くす女性の体からもいくつかの管が出ていて、点滴台の下の方にボトルがかかっている。
そのボトルには管が入っている部位なのか名前が書いてある。
立ち尽くす女性の目からはわずかに涙が浮かんでいるように見える。
もしかしてこの人は…
「あ、もしかして30分経ちましたか?」
「…は、はい」
「分かりました。担当の看護師呼んできますね。
玉山さん、少し座って待っててください」
「お願い…します」
予想していなかった光景に言葉が出ずに、ただ目の前にいる女性を見ていると付き添っていた看護師さんに声を掛けられ固まっていた体が少しずつ和らいでいく。
看護師さんがステーションに乃々葉の採血をした担当看護師を呼びに行ってしまい、女性は看護師さんに言われた通り病室の出入り口にある椅子に管の出ている腹部を押さえながらゆっくりと座った。
周りはいろんな声や音が聞こえるのに、その音が遠くに聞こえる。