キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
七笑と見つめ合って一緒のタイミングで笑う。
それがなんだかこそばゆかったけど、心があったかくなった。
「…みーこのこと教えてもらったから、アタシのことも話してもいい?」
「え、うん…」
七笑が話そうとしていることは何となく予想がついて目線は自然とそちらに向いていた。
私の目線に気付いた七笑は苦笑いしながら左足を軽く持ち上げた。
「分かった?これね、昔やんちゃしたからこうなったんじゃないんだ。
中学一年の時かな、アタシ骨肉腫って病気になったの。みーこ知ってる?」
骨肉腫。
病識は全くないからぴんと来なくて首を横に振った。
知るわけないよねと七笑はまた苦笑いを浮かべた。
「骨肉腫って簡単に言えば骨にできるガンのことなんだ。
アタシはそれが左膝の上のあたりにできててね、かなり広範囲だったから切断するしか方向はないって言われたんだ。
ほんと酷いよね?アタシが何したって言うんだよ!ってなったよ」
そうだったんだねとも言えず、何も言い返せなかった。
話が中学生にはあまりにも残酷すぎる。