泥酔ドクター拾いました。
「もう大和田先生、頭なんて下げないでくださいよ。その代わり、お礼に食事連れて行ってくださいね。」

さっきまで顔の半分を覆っていたマスクを外しながら、彼女は笑った。

その笑顔が、あまりにも無理矢理に作った笑顔だとすぐに気づいて、俺の胸は罪悪感で締め付けられて息苦しさを覚える。

「もちろん!!おいしいもの、ごちそうする!!」

俺だって笑う余裕なんてないけれど、無理矢理口角を挙げて藤代さんに笑顔を見せる。

その時だった。


ピンポーン。

合い鍵を返してもらうことを忘れていたのが失敗だった。
ほのかはオートロックのエントランスを軽々と突破して、玄関前のチャイムを鳴らした。

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