泥酔ドクター拾いました。
大きく一度深呼吸をして、ゆっくりとドアを開ける。

昔から強引で自由奔放な性格のくせに、妙なポイントで謙虚さを時折垣間見せるところは昔のほのかのままのようだ。
合鍵を持っているくせに、強引に俺の部屋に入ってこないで玄関の前で俺が扉を開けるのをじっと待っていた。


「崇也っ!!!」

ゆっくりとドアを開けると、そんな謙虚さなんて微塵も感じさせないほどに、そのドアの隙間を無理矢理にこじ開けて、俺に飛びつくように抱き着いた。


ほのかのモカブラウンの髪の色も、艶やかなロングヘアの巻き髪も、少し派手なメイクやネイルや服装も、それからフローラルの香りのする香水だって、あの時と何一つ変わってはいない。

それなのに、やっぱり付き合っていた頃とは違っていて、心は全く動かないままだ。


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