泥酔ドクター拾いました。
「失礼します。斎藤さん、どうかされました?」

外はもう薄暗いというのに、カーテンすら閉めてない、電気すら点いていない、その部屋はいつもの斎藤さんからは想像もつかないほど暗くて、重たい空気を漂わせている。


電気付けますね。ひとり言にも思えるほど小さく呟きながら私は背中を向けてベッドに寝ている斎藤さんに歩み寄る。


「どうかされました?」

いくら明るくったって、入院していれば気分が落ち込むことだってあること位分かっている。
私は意図的にゆっくりと穏やかな口調でもう一度尋ねる。


「藤代さん、正直に答えてください。……僕は死ぬんですか?」

背中越しに尋ねられた質問は、胸が裂けるほどに苦しみが含まれている。

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