泥酔ドクター拾いました。
「あのさ、やりたいこともなくて、地元に逃げ帰るなんてことするなよ」

彼女は驚いたように瞳を真ん丸に開いて、俺を見つめてくるから2人の視線がぶつかる。
ぶつかった視線を反らすことなく、真っすぐに見つめあう。

「主任だってきっと同じ思いだ。それに、藤代さんはきっといい看護師になるって思うって言ってたから」

さっきの看護主任の言葉を思い出すように丁寧に伝えた。

「逃げ帰るんじゃないですから……!!私が地元に帰る理由なんて、大和田先生には関係ない!!!」

俺の言葉なんて頑なに聞くつもりなんてないとでも言うように、強い口調で藤代さんは苦し気に言い放つ。

「失礼しますっ」

藤代さんは、そう言って座っていたベンチから立ち上がろうとする。

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