キミの螺旋
サラが具合悪いって言ってたのが気になるけど…

それよりも父親の行動が気になる。

あたしは藤紀に電話した。
藤紀が一緒なら…サラは大丈夫だと思うから。

何度か呼び出し音が鳴って藤紀が出る。

「もしもし?」

「藤紀?あたし、凛だけど…サラ大丈夫?具合悪いって聞いたから心配で」

「大丈夫。少し熱があるけど…今眠ってるから」

「そう…良かった」

「バイト終わったんだろ?迎えに行こうか?」
「えっと…ゴメン。しばらく帰らないから」

「え!?どういう事?」

うまいウソも浮かばずにあたしはごまかす事もできなかった。

「そういう事だから!じゃあね!」

理由を聞かれる前にあたしは一方的に電話を切った。


あたしには…やっぱり行く所がない。

もう身体を売って寝場所を得る事もしないし


あの部屋なら…父親にバレてはいるけど

誰が来てもドアを開けなければ大丈夫かな?居留守使っちゃえば…平気だよね?

マンションの周りを見回したけど
深夜だし人通りもなかったし
そのまま部屋へ戻った。

ドアの前に誰もいなかったから
安心して部屋に入ろうとした時


あたしは何者かに突き飛ばされ転がるように部屋に入った。
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