キミの螺旋
いつものように、あたしは何処かに沈んでいった…

でもどこかに意識はあって、催眠誘導する先生の声は聞こえてくるの。

「七年前の七月…貴女が最後に両親に会った日の事を思い出して…その日にもう一度戻ってください…戻れますか?」

最後に会った日…?

あたしは記憶の中を泳ぎ…突然、ある場所に引っ張られた。






『凛、ダメね。38℃。熱があるわ』

『えぇー?林間学校に行けないの?』

『当たり前でしょ?!学校に電話しておくから寝てなさいね』

…そうだ。
10歳のあの日、あたしは熱を出して学校に行けなかったんだ。

思い出した。

あたしは食欲もなくて、でも一応なんとかお粥を食べて薬を飲んで寝ていた。

《何でこんな日に熱なんか出るの?あーあ…行きたかったな…》

そう思いながら寝ていた。
だけど夜になっても熱は下がらなかった。

『薬、効かないわね。大丈夫?パパ…病院行った方がいいのかしら?』

『そうだな…』

『大丈夫だよ、ママ』

あたしは両親に心配させたくなくて言った。

『朝まで様子を見るか。でも凛、ツラかったら言うんだぞ?』

『うん、パパ、ママ…おやすみなさい』

『おやすみ』
< 323 / 398 >

この作品をシェア

pagetop